日商簿記の合格率と難易度
簿記2級の合格率(難易度)
それでは簿記2級(日商簿記)の難易度(合格率)の検証に入りましょう。
いろんな比較検討をするために、3級の試験結果も併記します。
まずは近年の試験の結果をご覧ください。
日商簿記3級の合格率
実施年度・月 |
受験者 |
合格者 |
合格率 |
---|---|---|---|
平成26年6月 |
78,726名 |
37,824名 |
48.0% |
平成26年2月 |
75,049名 |
30,690名 |
40.9% |
平成25年11月 |
93,781名 |
45,045名 |
48.0% |
平成25年6月 |
85,585名 |
29,025名 |
33.9% |
日商簿記2級の合格率
実施年度・月 |
受験者 |
合格者 |
合格率 |
---|---|---|---|
平成23年6月 |
52,546名 |
18,299名 |
34.8% |
平成26年6月 |
40,330名 |
13,958名 |
34.6% |
平成26年2月 |
55,960名 |
23,254名 |
41.6% |
平成25年11月 |
60,377名 |
13,601名 |
22.5% |
●受験者の母数は2級に比べ3級は1.5倍ほど大きいですが、合格率の数字は、3級も2級もそれほど変わりませんね(25~40%の範囲)。
しかし当然ながら、簿記3級と2級では、試験のむずかしさはかなり変わります。
●簿記検定の合格率を理解する上で欠かせない視点は、第一に、簿記検定は受験者を篩いにかける試験ではない(落とす試験ではない)ということです。
合格基準を70%以上と明示し、その水準以上にある人には、全員に合格通知を出してくれるのが簿記の試験です。
●こう言っては失礼ですが、簿記3級は「手に職」感覚で検定を受ける高校生もたくさんいます。もちろん事始に3級から始める社会人の方もいます。
そのような群のもと、10人中3人くらいは確実に合格できるのが3級試験です。
●簿記2級は就職を控えた大学生の受験がグンと増えてきます。また税理士・公認会計士の予備軍も受けるのは2級からです。彼らにしてもいきなり1級からではハードルが高く、トライアルとして2級の受験は欠かせないようです。
個人の能力比較をするようで少し胸が痛みますが、将来の税理士・公認会計士候補が日商簿記の2級合格を逃すことは考えにくいです。なかには日商簿記1級を受験資格として税理士試験にトライする人も少なくないからです。
また大学生で将来就く仕事の道を経理一本に定めている人も同様です。就職がかかっているわけですから本気のモードがちがうのです。
簿記2級の合格率(難易度)は、そのような前提があっての25~35%と見るようにしてください。上記の本気組みを合格者枠から外すとすると、「何かしら簿記の必要性を感じている社会人」の方の合格率は15~25%程度と見ておくのが正しい見方だと思います。
もちろん簿記2級に合格できるかどうかは、その方の準備のあり方次第です。
経理数字の把握において、税理士予備軍とは渡り合えないにしても、就職を控えた本気モードの大学生と競い合うことなら十分可能なはずです。
簿記2級の実質的な難易度は、そのラインにあります。